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──Ultor──
[Sandyが囲いを解除した所為で、dataの群れが広がり、最後は青空に同化して消えるのが見えた。
Neilは、目の前の馬──戻って来たものの負荷の影響でゾンビの様な様相の──…と近付いて来るSandyを交互に見た。]
[ジャリジャリ]
[砂の音──。]
他人のサーバーが落ちても、何も困らないさ。
好きなだけ破壊すれば良い。
[一瞬、空に目を向ける。何故か揺れるSANNAの髪の色を思い出す。他のプレイヤと支援サーバーの結びつきについては知らないが。]
『事情はそれぞれ。』
──Ultor──
[Sandyの犬が跳び、何か飛行型のPGMを破壊する。
「他人のサーバーなら困らない」と言う事は、自分の支援サーバーが破壊されては困ると言う事だ。そう、Neilは監視されていなくてはならない。ゲーム内でのアクションを監視し、死に掛けている友人の寿命を少しでも長くする為に…──。
──…Sandyが近付いて来る。
腕が無くてもまったく困った様子が無い。その事がNeilには不気味に思えた。]
「ねえ、Neil。
君の目的は一体何だい……?」
[眉間に皺を寄せる。]
[危険な男が]
…。
友達…?
奇怪な…
…AIは、"道具"ではなかったのか。
[とは言えそう口を回す余裕はあるまい。
testをしろという事は…]
…死ぬか。
[吐き捨てるように]
──Ultor──
[襤褸襤褸になった馬を、体内に格納する。格納する時に違和感があった。]
[Neilに戦闘を停止するつもりは無かった。
[無かったが──、]
[あやしく囁かれるSandyの言葉はNeilの耳元で。]
『俺が望みを持っている事をお見通しか──』
[揺れる。Neilの心と──チェーンの吊したTeardrop&fire。]
目的。
おれが望むことは、
[Griffithを"友達"と呼ぶSandy。
Sandyに微笑みかけるGriffith。]
[何かあるのか――]
[BANG]
[BANG]
[doll's eye]
[水色煌き振りまいて
砕ける音はAquamarine
ふうわり走る白いそれ
決して早くは無いけれど
遊んで欲しいと人形が
決して歩みを止めはしない
It's like a fairy tail...]
[Griffithの後ろで星空が――引き伸びている…否、引き伸ばされている?]
[黄色く淡い光の中で、
白く水色のそれをもう一つ]
[降り立つ場所は、星降る空と黄色い三日月]
[ぐるりと周囲を見回して──]
Sandy...
[抹消対象がここにも一人]
『今優先すべきはGriffithの抹消』
[TWN/SANNAの注意に視線を戻し]
[DEMILUNEをCALL][三日月の下、三日月の刃紋]
[軽く握り、目標を見据え]
[翼広げるGriffithへ向け][疾走]
[Melvineには嘲笑を返すだけ。
三日月の先端で揺れる、
FIELDを展開……左腕が失われた今は内向きにしか造れない。負荷が満ちゆく。]
Vivienne……?
[Griffithの”翼”と、Melvineの弾丸を見比べて目を細めた]
[それから、転移してきた”もう一人”を振り返った。]
サンディ──なァ。
暫く、そこに居させてくれよ。
[振り返り、サンディへ微笑み──]
[サンディが頷けば、黒い液体のようになり、大地に沈み込むだろう──そう、それは大規模なる 名前のない PGMの一端のようにならんと──そして、かれじしんは、眠りにつくかのようになり]
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