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んんんー……っ てゃーっ!
[気合とともにフキを一振り。見る者が見れば靄のようなものが野菜にまとわりつくのが見えたかもしれないが、その場にそんな人物がいるわけもなく。
しばしの沈黙の後、いくつもの野菜に手が生え足が生え、中には顔のようなものまでできたものもある]
さぁ、これで恐れるものは何もないぞよ! 思う様に町を混乱に陥れよ!
[扇動する声に合わせて、わらわらと野菜が散っていく]
んむ。これであやつらは弱点が減ったし、ここで死を待つばかりのものたちを逃がすこともできた。今日もよいことをしたぞよー♪
…ぞ?
[一体だけその場に残っていた、手足つきニンジンに目が止まる]
何ぞ? 悪行の限りを尽くしに行かぬぞよ?
ほう。
旗揚げを待たず吾とともに行こうと。よき心がけぞ。
ならばともに行こうではないか。 今日からおヌシはきゃろっとぞよ!
[うごめくニンジン きゃろっと が なかまに くわわった!]
やっぱり高いですよね。
[アイリがつぶやく声が耳に入った。
そして店主に提示された額を聞いた時に無一文だったことに気がつく。財布を捜してみたが見つかるはずもない。
諦めて肩を落とし、アイリに苦笑いを向けた]
――街の西側――
[途中になんだか見慣れない木があった気がしたが、特に気にせず通り過ぎる]
西っていうと、こっちの方か……。
……ん?
[前方に、なんだか見憶えのある姿があった]
おおい!
キミ、講習会に出てた子じゃないかね?
[と、ミリに向かって叫んだ]
―街の西側―
[目的の場所に着くと、本を広げる。]
……ファンタ、手伝って。
[淡い光で包まれた本から、小さな光の球がふわりと浮かび上がった。
草のあまり生えていない場所に本を置くと、精霊の光をライト代わりに目的の薬草を探す。]
頭痛に効くのは……
昨日とった……これでいいのよね?
[ぎざぎざと尖った葉が特徴的な草を取ると、ファンタに見せる。
少しだけ縦に動くその様子は頷いているようだ。]
―ダンジョン―
「ピー><。」
「ケタケタ、ピーピー><。」
[めそめそしながらゴースト達が帰って来る。
塩やら聖水やら振り掛けられて、泣いているようだ。
重い手甲と鎖に覆われた腕が持ち上げられ、煙の如きゴーストに触れて塩を払う。
元は数匹の群れが悪戯を繰り返すうちに仲間が増えて、街がちょっとした騒ぎになっていた事など知りもせず。
更には、野心派はぐれ妖精が今正に>>564>>569騒ぎを拡大している事は、まだ耳に入って来ない。
街で冒険者達が新たに増えた事、骨のありそうな者が居るやもしれぬ事を聞くと、カラカラと笑った。]
……へ?
[こんな場所にこんな時間に声をかけられるとは思わず、間抜けな声を出して振り返ると、見たことのある人物の姿。]
……えっと、そうです。講習会でいっしょでしたね、クラム、ちゃん?こんばんは。
こんなところで何して……もしかして、同じ薬草取り、とりですか?
[立ち上がり、近づいてくる自分より背の低い子の名前を確かめるように話しかけた。]
[ギルド員の受け答えは、シロガネに語った内容>>419より、いくばくか進行しているようだ。ある程度の人員を割き対応しており、また、早馬でも使ったのだろうか、『夜陽の欠片』で起こった事件も、新人冒険者達の手により、ある程度終焉を迎えているらしい……(もっとも同じギルド内部で起こっている事件>>515については、今だ把握しきれていないようだが……)]
え? そうなの? はぁ……出遅れたわね……。
[きっと、残ったキリカが、なんとかしてくれたのだろう、とあたりをつける。動きの鈍さを悔いても仕方がない。不甲斐なさを感じつつも、安心して一息つくと、白犬と見つめ合っているスコルに向き直った]
ごめんなさいね。挨拶もそこそこにして。確か、あなた。昨日あの盾の人と一緒にいた……
[ミリが名前を呼ぶのを聞けば、頷いて]
そうそう、クラムだよ。こんばんは、ミリさん。
まあ、ぼくはちょっとした小遣い稼ぎでね。
調合用の薬草を取ってくるように言われたんだ。
[群生している薬草から言われた通りの特徴のものを探しながら]
キミも魔法を使うんだっけ?
便利そうだね、その本。
[光を灯す魔本を見て、感心したように言った]
大変なこと…一応大変なことなのでしょう。
大怪我をしたとか。大きい被害はないようですが
[いや、でも食費は大事かなんてフェイトに答えながらおもう。外套と勘違いしたようだが訂正してるのでそこには触れず]
洞窟の聖域に安置された道具をとってくるという依頼です。
そうですね。ご一緒にいかがですか?
[悪霊退治にやる気を出している。依頼した当人とフェイトへと聞いてみる]
足りません、というか……はあ。
何か仕事みつけてお金稼がないと、何も出来ませんね。
塩を撒いておけば、一時的には霊に対処できるらしいですけど。
ん?もしかして塩を今のうちに買い占めて置けば、大儲け?
[きゅぴーん、と目が輝いた]
……買い占める元手がありませんでした。
街の西の森の中
[ダンジョンに向かって歩いていると、キラリと光る物を見つけた。
よく見ると1枚の銀貨のようだ、どうせカラスがくわえてきたのだろうが世俗を離れた自分には必要が無い。
そう思い銀貨を手に取るとおもいっきり投げた。
街の方に飛んで行ったが気にする事は無い
人間が再び自分の下に来たならば斬ればいいだけの事だ]
なるほど。楽ですしね、危険も少ないし。
[薬草を探すクラムのすぐ傍で、ミリも同じように再び探し始める。]
私自身にはあまり魔力はないんですけれど、ね。
私の魔法は、この本の精霊……ファンタに手伝ってもらってます。というより、少し魔力や魔法の発動イメージを手助けしてもらってるのかな……
うん、すごく便利ですよ、こうやってライト代わりにも……本を開かないといけないし、持ち運びはすっごく重いですけれど。
[くすっと笑ってちらりと本に目を向けると、光の玉はクラムに挨拶するようにくるりと回ってみせる。]
ええ。……そうね。スコル。スコルさんだったわ。思いだした。確か、講習会では、前の方の席だったわよね? ええ。私はヴァレリア。後ろの方にいたのに、覚えてもらっていて光栄よ。
[実際、リュミエールの前にいた彼のヘアースタイルにはインパクトがあり、キリカやシロガネの獣人とは、別の意味で印象に残っていた。続くスコルの言葉に残念そうに肩をすくめる]
そう……嬉しいわ。でも、ごめんなさいね。街中で霊が騒動を起こしていたんだけど、少しずつ沈静化しているみたいで。
あ……そう言えば、あなた、盾の人と一緒にどこかに出向いていたみたいだけど、もう依頼を受諾していたのかしら? その……ケガ、しているみたいだし。
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