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[小声が癖付いたのかそのままキリカへと]
強行突破すれば騒ぎになりかねん。そうなればギルドへ相当な迷惑と言うか苦情というかそういうものが行くのではないか…?
逆に引っ張り出すことは難しいか。
[じっとヴァレリアを見ながら思案しているが急に良い案は浮かばない。]
「少々お待ちください。」
[強盗殺人犯がどうというよりも、店頭でそんなことをべらべらと喋られるのを嫌ったようだ。厄介者を見る目つきになっている。
店の中のボーイに話しをすると、すぐに返答があった。]
「・・・どうぞ。こちらが案内します。」
[ボーパルバニーの女の子が先頭に立ち、三人を案内してくれた。ふたつの扉と階段を通り、一番奥の突き当たり。かなり立派な両開きの扉があった。]
[一番奥両開きの扉の前で、立ち止まる]
彼は、ここにいるのね……
[動物達と離れた心細さはあったが、今はヴェイドの元へ向かうのが先決だ。バニーの開けた扉の中を、軽く両手を胸元へ置いた構えのまま、見つめた]
[正面に、ヴェイドの姿。ソファーに座り、五人ほどの女の子をはべらせている。
部屋は狭くはないが、動き回るには物足りない広さ。]
せっかくのお楽しみを邪魔するとはね。
何の用だい?
[鋭い視線を投げかけてくる。]
[意識を集中させて、気配を探ろうとしている。]
危険な気配はそう感じないが…何だろう、胸がざわつく。
[扉の奥を見つめながら2人に続いた]
[ヴェイドは、扉の正面でくつろいでいる。周囲には、女の子達の姿……ここで、彼を捕まえる? どうやって? 下手をすれば、彼女達にも危険が及ぶかもしれないのに……。怖がらせてはいけない。強盗のことも伏せないと。迷った末、キリカ達の動きに注意を払いながら、鋭い視線の主に向け、語りかけた]
ずいぶん、お楽しみのようね? 簡単なこと。あなたに、同行してもらいたいの。
ギルドが……お呼びよ。私達と一緒に、来て。
[部屋の中には見知った人の姿。
女性たちを一瞥して、部屋の中の様子を確認する]
……それは貴方の方がよくご存知なのではありませんか、ご主人様?
[くすくすと一頻り笑うと。]
嫌だね。どうしてお前さんたちの言うことを聞かなきゃならない?
お前さん、箱入りで知らんだろうが、この店は中立地帯なんだ。
意味、分かるか?ここにいる限り、ギルドも自警団も直接は手を出せない。
その代わり金の切れ目が縁の切れ目ってヤツだけどなー。
[楽しげに女の子を引き寄せると、オードブルのハムをぺろりと口にした。]
へぇぇ、キリカ。まだ俺のことを主人と呼ぶか。
なら「こっち」に来ないか?面白おかしく暮らせるぜ?
ああ、お前さん覚えてるぞ。
姫様警備のとき、「大人の店」に反応してたろ?
俺の下につくなら、楽しませてやってもいいぞ?
[指を鳴らすと、一人の女の子―ウンディーネ―が立ち上がり、キリカに寄って身体に腕を回した。]
「いやぁん、可愛い〜。ふふ、ね、一緒に遊びましょう?」
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