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― 回想・冒険者ギルド ―
[ヴェイド達が先に救護テントへと向かったのを見送り。獣人を連れて行く間、自分のコントロールの悪さを悔いて大きく溜息を付き、歩調も段々と遅くなり…キリカ達から少しずつ離れては気付いて慌てて追う、その繰り返しだった。]
気が大きくなっていたのか、慢心か…
リュミエールに偉そうに言えた立場じゃないな。同じ事を何度も繰り返してはいけない、しっかりしないと…。
[気持ちは晴れなかったが、ギルドに戻ると一旦その思考は頭の隅に追い遣り、今回の件についての報告を済ませ獣人を引き渡した。この時点でわかった事は、この獣人がババルウだという事くらいだったが後から色々と知る事が出来るだろう。]
…あの、出来れば後からで良いのであのババルウと話がしたいのですが。…ええ、ちょっと…ケガをさせてしまいまして。
差し入れみたいなものは持ち込んでもよろしいでしょうか?
……わかりました、ありがとうございます。
[まともに話が出来るかどうかは怪しいが、そっとギルドの職員に頼み込んだ。後はギルドから何か連絡があるのを待つのみ。]
―回想・冒険者ギルド―
[報告を終え、そういえばリュミエールの姿がない事に今頃気が付く。キリカに問うと、既にミリと一緒にダンジョンへと向かった後だと聞かされた。]
…見送りも出来なかったな。
リュミエールも準備は万端で行けたのだろうか…。
相当魔法を使わせてしまったから回復もし切っていないんじゃないか?
…まぁ、ミリが一緒だというなら問題は無さそうか。
[少し前に、怪我をしていたにも関わらず鍋を突付いていた事を思い出す。]
何度か連絡が入るようだから大丈夫だと思うが、他の皆も無事だろうか…。
[目を細めて掲示板を見、改めて自分の掌を見つめて。]
いざという時に強い自分にならなければな。
― 回想終了 ―
― → 宿・使用人部屋 ―
……明日にでも誰かに聞いてみましょう。
[結局本を手にしたまま、宿へと戻る。
もし部屋にヴェイドの姿があれば、以前ゴースト騒ぎの時に適切な対処をしていたのを思い出し。
「読めますか?」と本を見せ、中身について問うだろう]
[すでにねぐらと化したみかん箱の中で丸くなった。目を閉じてもなかなか寝付けない]
……ヴェイド様、起きてらっしゃいますか?
[箱の中から声だけかける。返答が無くても気にしない]
ヴェイド様は、何で冒険者になろうと思ったのですか?
ヴェイド様は、ご自分の事がお好きですか?
ヴェイド様は……
[単なる同期の人。その立場を思い出して口を閉ざし、頑張って眠ろうと*試みた*]
― 冒険者ギルド ―
[依頼主はリュミエールで自分は付いていっただけだと思っているので、報酬云々に関しては一旦預かった500Gをどうしたものかと手持ち無沙汰にしていた。]
キリカも居ないしミリもリュミエールも既に探索に出てしまったというし…こんな大金、渡されても困るんだが…。
[自分よりは管理がしっかりしてそうなメイアルに預けようとも考えたが、結局はギルドの方に預ける事にした。リュミエールが戻ったらその時に、と告げて。]
さて…この後は何か予定はあるだろうか。
もしもなければ軽く夕飯でも、どうか?
[メイアルがOKを出したなら、食堂で歌について聞いてみたりしつつ食事をして宿へ戻ったかも知れない。そうでなくても食堂で考え事をしながら食事をし、宿へと戻って行っただろう。]
― 宿 ―
[だるい両腕をベッドに投げ出して目を閉じる。]
僕は、皆の居る所へいけるのかな…。
行けなかったら、認められなかったという事だよな。
…
……
……やめよう、考えても詮無いことだ。
[なかなか寝付けないのか、何度も寝返りを打ってうんうんと唸ってみる。]
何かの数を数えよう、そうしよう…。
[そう呟いて思い描いたのは、あの畑にいる「へんなやつ」。頭の中でそれらが俊足で逃げる様を描いたのが悪かったのか、結局寝付くことが出来たのはそれらの数が900を越えた頃だった。]
―朝・冒険者ギルド前―
[寝付いたと思えば朝が来る。草が1029本1030本、と呟きながら宿を出てフラフラとギルド前へとやって来た。]
普通は羊のはずなのに、何故アレを思い浮かべたんだろう…。
アレも確かに気にはなるが、今の時点ではどうしようもないとわかっているし…資料の方も僕ではお手上げだしな、参った。
いっそ他の依頼を探すか…?
[両腕をブンと回して窓口へ]
―冒険者ギルド・受付―
[あの獣人……いや、自分の勘が正しければ、獣、だろうか? あのコに関する依頼の要件を探してみる。
……あった。どうやら、商店街の店主より、おかしな獣人に街が荒らされている、という事件が起こっていたようだ。
依頼を受け、達成したのは、リュミエールとされている。きっと、彼が依頼を受け、ヴェイドやキリカ、メイアルと協力し、遂行しようとしていたのだろう]
……変な、事件ね。
[よくよく調べてみると、被害の起こっている事件は、いきすぎた子供のいたずら程度のものばかり。
もちろん、商売を行う人間にとっては、困る案件ばかりではあるが……。『獣人ババルウ』は、どうやら現在、黙秘を続けているらしい]
あの泥棒が、もし私が思った通りだったら……
[自分の手をじっと見つめる。もし思った通りだったら……なに? 確かに、自分の勘が正しければ、あのコは黙秘を続けるしか……ただおびえて黙りとおすことしかできないだろうけど……+表+
表 → 「言葉を話せないと通じ合えるのが、私の力じゃなかったの?」
裏 → 「……だから、私の気のせい>>3:54なのよ。モーリス達以外と話せた『ように感じた』ことがある? 『伝わる気がした』ことがある?」
―回想・使用人部屋―
[キリカに本を見せられ、手に取ってみる。なかなか立派な装丁で、表紙にはルビーが象嵌されていた。普通に考えれば、魔法書だろうか。]
暗号の類ならそれなりに知ってるんだが、魔法書の古代文字とかまでいくとほとんどわからんのだよなぁ・・・。
[ぱらりと開いて、ぺらぺらとめくってみた。92/90以上なら以下略。]
私は……どこかで責任を取らなくちゃいけないわ。
勝手に、テイマーを名乗ってしまったんだから。
長く一緒にいた、モーリス達と、気持が通じているように感じただけで。
やってみるべきだよ。私の力が本物なのかどうか。モーリス達以外にも、通用するのかどうか。
もしかしたら、本当にババルウは単なる犯罪者なのかもしれない。それならいい。私の勘違い。
仮に動物であっても、私は通じることはできないかもしれない。それでも……
[言葉を一端区切り、かつて引きちぎった冒険者証>>1: 401にそっと触れる]
やるだけのことは、やらないと。
[決意を込めた瞳で、ババルウの依頼報告書を見つめ続けている……]
[適当にページをめくってみる。古代文字とは何となく違うように見えた。精霊文字か?
魔法の素養ゼロのヴェイドには、全然読めない。たまにちらちらと挿絵があるくらいで、何のことかさっぱりわからなかった。]
うーん、分からん。魔法が使えるやつなら読めるかもなぁ。
[たまたま開いたページには、あの木属性精霊用のプロテクトアーマーの挿絵が。しかし残念ながら、ヴェイドはその本物を目にしていなかった。
ぱたりと本を閉じると、キリカに返した。]
[ギルドへ向かい、気になっていた昨日の獣人?事件のだいたいの概要を調べた]
まあ、一度の泥棒騒ぎどころではなかったですのね。
捕まった…のならよろしかったですけれど。はぁ、近くに居たのに、またなんのお役にも立てませんでしたわね…。
[そしてリュミエールとミリの出立の話と伝言メモも見つけ、少し悲しそうにほほ笑んだ]
次から次に、行ってしまわれるのね。冒険者って、そういうものですものね…。どうか怪我も少なく、ご無事でありますように。
―回想・夜の使用人部屋―
[横になったヴェイドに話しかける声。普段のヴェイドならば、すぐに返事をしただろう。しかし今日に限っては何も答えない。目を瞑ったまま、規則的な寝息を立てている。
きっと今夜ならば、誰でも簡単にヴェイドの寝首を掻くことができたに違いない。珍しいことに、熟睡していた。]
―回想・了―
―ギルド前―
[もっとも懸案の事件の今までの経緯を再確認するとギルドの外に出た]
今日の体調なら、畑まで辿りつけるかしら…?
リュミエールさんもご出立されてしまったし…メイアルさん…はどちらにご滞在か、わたくし存じ上げないのよね…。
それともまずは、文献などで調べてみたほうが良いのかしら。
[...は、悩んだ。結論は+裏+ 表なら、畑へ向かう。裏なら文献調査へ]
―朝―
[大幅に寝過ごして、目が覚めた。さすがにキリカは出て行ってしまっているだろう。
軽く頭を振りながら上半身を起こすと、がしがしと乱暴に頭をかいた。]
・・・マジか。
[久しぶりに、夢も見ないほど完璧に眠ってしまった。あれは「子守唄」としては、最強だったようだ。]
参ったな、ちくしょう・・・。
[納得がいかない様子でベッドを降りると、冷たい水で顔を洗って、ついでにばしばし頬を叩く。気合だ。そして街へと出て行った。]
―街なか―
さーて、どう動くかな?
全員の現在地はどこなんだろう?
こういうときは、これだな。
[ポケットの中から硬貨を一枚取り出す。]
表が出たらギルド、裏が出たら・・・どこだ?街の外にでも出てみるか・・・。
それ。
[指先で真上にピンと跳ね上げて、手の甲で受け止める。見れば+表+が上を向いていた。]
・・・うぎゃっ!?
[その直後、ヴェイドは背中を誰かから思いっきり踏んづけられたような気がして、思わず声に出して叫んだ。]
― 冒険者ギルド窓口 ―
[自分で受けられそうな依頼はそう数もなく、チラチラと依頼の貼り紙を視線が通り過ぎて行く。思えばもうほとんどの同期の人がダンジョンへと赴いた。これから先も1人になる事があるのだから選り好みしては…とも考える。
それだから改めて依頼を端から見て行くと、ふと見覚えのあるような依頼が目に止まった。]
ん……これは。
スコル達が言っていたのと似ているが…うん、場所も。
ゴートと連呼していたし、別件で調査をとも言っていたから間違いないだろう。
これらもどうにかしたいが…。
[貼り紙を凝視してまた独り言。]
[訳がわからないまま背中をさすりながら、とりあえずギルドに向かうことにした。
受付のリンダに相変わらずな誘いを挨拶代わりに投げかけると、ふと見知った顔が目に入った。]
おぅ、お前さんは俺と名前が似た男。
[わざとそんな言い方をしながら、ヴェルデに声を掛けた。]
なーにしてんの?
ああ、ヴァレリアもいたのか。身体は大丈夫なのか?
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