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こ、これは…!?
ヴァレリアさん、この果実をモーリスに食べさせてはいけません。
この果実は人には無害ですけれど、動物が食べると興奮剤と同等の効果があるのです。
[と、モーリスの前の果実を何個か捥ぎ千切った。]
[果実をモーリスから遠ざけるメイアルを、見ながら訝しげにその実をよく確認してみる。黄色いリンゴ、と言った感じだろうか? 特に毒々しい色合いを帯びている訳でもなく……ふと香った匂いにも、おかしなところは感じられない]
この実が? え……興奮剤みたいな……もの?
ちょっと待って。それじゃ、スコル達が出会った凶暴なゴート、ってゆうのは……
―エント東の街道付近―
[キリカが指した辺りを、手でひさしを作って眺めてみるも今の位置では見えかった。崖の上から見れば良いのかも知れないが、手の力がそこまで強くない自分では到底無理な話だった。]
……?
ゴートが居る所に、群生…?
それが具体的に何なのかはわかるか?
[ゴートの主食は草だったはず、別の何かがゴートの居る辺りに群生しているという事はそれを食んでいる事も十二分に考えられる。]
この辺りの植物に詳しくないから良くわからないが、元々生えているものなのだろうか…。
ええ。私が住んでいた里でも、よくこの果実を食べた動物達が、わざと大木にぶつかっていって自傷したり、争ったりするのを見かけましたから間違いないでしょう。
[ヴァレリアの言葉の続きを聞くまでもなく、察して。]
その可能性はありますね。
私たちだけでここを伐採するのは大変ですし、一度ギルドに裁可を問いましょうか?
「ゴート凶暴化の原因の一つとしてこの黄色い果実が考えられる。伐採するかどうかは、ギルドの判断に任せる」と。
[メイアルの言葉に対し、頷いた]
そうね。だとしたら、私達で何とかできるものでもないし……。
ここは、いったん引くべきなのかもしれない。
……キリカや、ヴェルデにも、そう伝えないと。
ヒルダを、動かしてみるわ。多分、現況がここにあるなら、ゴートの群れの近くにでもいない限りは、大丈夫だと思うし。
[もぎ取った果実をローブの中にしまって。]
これは証拠として持ち帰りましょう。
モーリスとホリーのどちらかには申し訳ないですが、ひょっとしたら実証するために食べてもらう事になるかもしれませんが……。
[それを承諾してもらえますか?と目線で訴える。]
具体的にはわかりませんが、似たようなのは見たことがあります。
一時的に獣を興奮状態にしてしまう効用があったかと。
[ヴェルデの言葉を聞いて、知識を総動員]
もしあの果実がゴートたちの凶暴化の原因で、しかも元々生えていていたとしたら
同じような案件が過去にも発生していて、何らかの対策が行われているはずです。
もしかしたら誰かが意図的に植えたか……考えすぎでしょうか。
とにかく、報告だけして後はギルドの判断に任せるのが懸命でしょうね。
[……メイアルの言葉に対しては、長い沈黙を守った。しかし]
駄目よ。……と言いたいところだけど、条件付きなら、仕方がないのかもしれないわ。
単純に……このコ達が、『やる』と言ったら。
それともう一つ。
[自分の胸に片手を置いて、言った]
必ず、私が傍にいること。
もし、ギルド側がそんなことを言い出したら、私はそう返すつもりよ。
[にっこりと微笑んで。]
貴女がいない場所で貴女の大事な家族にそんな事をさせるはずないでしょう。
それは最低条件でしょう。
では、キリカさんやヴェルデさんたちと合流して一旦ギルドへ戻りましょうか。
そろそろ日が暮れます。
レストランを予約しないと間に合いませんよ!
[メイアルの笑顔につられて、ほっとしたように破顔する]
ふふ。そうね。キリカやヴェルデも、この街道の相当な緊張を強いられていたはずだもの。
二人にも、理由も合わせて、伝えないと。
レストラン? あ……
[しばらく逡巡した後]
そっか。そうね。行きましょう! ふふ。この依頼の達成費用で、少し豪華なものも食べられるかも!
キリカもヴェルデも、ヒルダに気づいてくれるかしら……?
[自分の机の下に置いた、袋>>188のことを思い出す。もしかしたら、今日また、洞窟に旅立つ人間が出てくるかもしれない。このメンバーで食事をとれることも、もうこれが最後かも……そうゆう時には、素直に使ってしまった方がいいのかもしれない、と思いながら]
[キリカから群生しているものの詳細を聞いたが、自分が住んでいた山の範囲では見た事がないものだった。それが何処で実るものなのかは一度あの図書館へ行って見てみようと思うと告げた。]
そうだな、元々ここに在るものであるなら凶暴化したという報告が以前から起こっていてもおかしくない。
出来れば実物を一つ持ち帰りたいがな…
無駄にゴートを刺激させるわけには行かないし、ヴァレリア達がこちらに向かっているなら少し話をしてみる……か。
ふふ。楽しみですね。
今日は野菜料理で有名なお店にしましょう。
またヴェイドさんに御馳走してもらって、めいっぱいたかりましょう。
[昨日の晩餐の精算時のヴェイドを思い出したのか、楽しげに笑って。
気付いてくれるかしら〜には、]
ヴェルデさんたちが気付かなくても、ヴァレリアさんがヒルダの居場所を感知すればなんとかなりませんかね?
二人をこちらから探しにいきますか?
[ゆく足を止め、メイアルににっこりとほほ笑み]
ちょうど、今それをやっているところよ。
気が合うわね。せっかくだもの。みんな揃って帰りましょう。
そうですね。
街には専門家の人もいるでしょうし、現物があれば話も早いでしょう。
……ん?
[ヒルダが何かに反応している。その様子と、向いている方向を見やる]
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