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―冒険者ギルド―
[図書館を出て、ギルドへ向かう。
受付で昨日の依頼内容を、もう一度詳しく確認して溜息をついた。]
……全滅だけじゃない……
[そう言って呟くと、他の依頼内容も確認。
別に同じようなカボチャの依頼は発見できなかった。]
……ん?スコルさんの伝言?
[依頼の一覧を見ながら、スコルからの伝言依頼に気付く。
しかし今は、調べもののほうに集中しようと、頭にの隅に留めておくだけにする。]
[ヴェイドは、ひらひらと手を振り、去っていく。彼が完全に背中を向けていることを確認すると、顔を背けたまま、横目で視線だけを送り、見送った]
言いたいこと? 聞きたいことなら、たくさんあるわ。
どうして、洞窟に行くのを認められたのが、あなたじゃなかったのか、とか。
それと……他のみんなにも、こんなことしてくれているのか、とか……。
……二つ目のは、どうでもいいけど。
[彼の行く先がギルドだと察しても、その後ろをついていく気になれず、…は、はぁ、と再び草原に寝そべった。ラフィに治してもらった手を、じっと見つめる]
『努力しなきゃ』、か。
ねぇ。みんな。もし、私がお願いしたら、みんなの命、託してくれる?
私も、みんなのためなら、できること、全部やるから。
[手に、意識を集めていないせいか。返答は誰からも返ってこない。視界の端で、草原の草に顔を突っ込んでいたモーリスが、『どうしました?』とでも言いたげに、顔を上げただけだった]
にしても。
[一瞬だけ、ちらりと後ろを見た。再び寝そべるヴァレリアの姿が目に入る。]
・・・・てっきり、動物たちが嫉妬して襲い掛かってくるかと思ったんだがなぁ。
男と女、かぁ。
[口の中でくすくすと笑いながら、ギルドに戻った。]
よーお、リンダちゃん、今日はいっそう美人だねぇ。
[受付嬢の頬を勝手に突付いてチョップを受けたりしながら、一応依頼を確認してみる。ちらりとミリの姿が目に入った。]
ミリちゃんは何してんの?
― 冒険者ギルド ―
[わしゃ、と後ろから頭を掴まれた。振り返った先には知らない顔。
先日のコボルド騒ぎについて聞かれた。どうやら盗賊ギルドの一員らしい]
え、あ、はい。
多分、拙者です……。
『性懲りもなく俺らの手を煩わせる気かよ、獣風情が。
てめえみてえのは、その辺で草むしりでもしてやがれ。』
[壁に貼られた依頼を見ていた男に小突かれる。
思わず手を出してしまい、騒ぎの結末は厳重注意。
結局、フェイトの依頼へは同行*できなかった*]
[落とした書類――ここ一ヶ月の過去の依頼履歴の束を慌てて拾う。]
えっと、ヴェイドさん、なんだかお久しぶり……でもないのか。
えっと、ちょっとカボチャの調べものを……
[書類を拾っているヴェイドに、そっと近寄ってきた人間が何事か耳打ちした。情けなさそうな表情になると、かわりに何事か伝える。相手は盗賊ギルドのほうへと消えていった。
盗賊同士の符丁なのか、横にいるミリには声は聞こえても何を言っているか全く理解できないだろう。]
・・・ん?ああ、上納金足りないって。盗賊ギルドは厳しいねぇ。
[ケラケラと笑う。
・・・その後、ギルド周辺の草を必死になって毟る盗賊ギルド員らしき人物の姿を見ることができたかもしれない。]
何か働かんといけないってことかねー?んん?
これって同期のヤツの依頼じゃね?
[フェイトのメモを指差した。]
上納金、ですか……?
[詳しいことは分からないが、ギルドはギルドとしての何か決まりごとでもあるのだろうと、深く追求しないでおくことにする。]
これ……?
[指差す先のフェイトのメモを見て、]
ああ、そうですね。
フェイト君のものみたいです。
[ヴェイドに頷いた。]
ええーもしかして盗賊ギルドだけか?
依頼報酬の1割を納めたら、色々と便利に盗賊用のアレコレがソレってことなんだけど。
まーいっか。
[盗賊以外には門外不出のものもあるので、説明がかなり適当。]
行ってみる?
[内容を確認する。魔獣退治。]
・・・何の魔獣が何匹出るのかさっぱり分からんな。
そこまで調べるのも依頼のうちか?
魔術師ギルドには入りたてですし……ギルドってそういうシステムがあるんですね、知りませんでした。
[ミリはいいことを知った、という顔をする。]
え……行ってみる?
っていうのは、えっと……ヴェイドさんと、私も?
いや、俺は魔術師ギルドのことは知らんし。
まあ後で聞いてみるといいよ。
あれ?ミリちゃんは今は結構裕福?お財布あったかい?
昨日の依頼は失敗って聞いたから、報酬はなかったはずだけど・・・。
そんなにあるなら、ほら、投資投資。
[手のひらを差し出す。]
―冒険者ギルド 訓練所―
[ギルド内の救護所で眠るラフィーネを少しだけお見舞いすると、訓練所に向かう。
一歩一撃の度に鈴が鳴る様は、傍目には結構目立つらしい]
……、せいっ!
[型の動きをなぞりながら、等身大の的に繰り出す蹴りは軽い快音。
音が軽いのは威力が足りない証拠だった]
ちょっと硬いものには、これじゃ全然通じないよね。
―冒険者ギルド周辺の広場―
……いつまでの、こうしている訳にはいかない。やらないと。鍛えないと。
でも、どこへ? 依頼があるかもしれないけど、ギルドへは、彼が入っていったばっかりだし、行きづらいし……。
[草原から起き上がり、思案する +表+
表 → 始めていく場所だけど、訓練所に。まず自分の力がどれ程かを確かめないと。
裏 → 『バリアント・ギルド』。あそこなら、長所を伸ばせる何かを得られるかも]
[『失敗』だと言われた。理由は解っている。
納得もしている……多分。
けれど「悔しいだけか?」と尋ねられた。
悔しがるのがいけないのでなく、それだけだと足りないみたいな聞き方だった。
全滅させるだけでは駄目だったように]
何があれば良いんだろう。
それが解れば、もっと上手く行くのかな。
[あんな結果になるつもりじゃなかったから余計に思う。
もう一つ、ちりん、ぱぁん! と音が響いた**]
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