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―かぼちゃ畑へ―
[踏み固められた農道を歩いて、遠くに目的地が見える頃。
道路から随分外れた木立に紛れる人影に気付いた。
多分あの位置なら、かぼちゃ畑からは全然見えないんだろうと思う。
自分も、もう少しで見落とす所だった]
……誰だろう? あんな所で何してるのかな。
[何かを熱心に見つめているような様子が気になり、ちりんちりんと足音を立てつつ近付く]
シロガネ様と、メノミリア様がですか?
[ギルドからの通達を聞いて、昨夜の戦闘を思い出す。確かにどこか余裕を感じていたような二人と、自分と実力の差は歴然としていた。
様々な感情が胸を襲う。目を閉じて、差し伸べられたシロガネの手の温もりを思い出す]
祝福しましょう。
拙者も負けてられません。
[ぐっと拳を強く握った。ヴェイドと入れ替わりくらいに練習場へ。柔軟と素振り、教官相手の模擬戦を*少し*]
・・・馬鹿だな。
[ぽつりと。]
そうやって地面に張り付いて。飲まず食わずで済ますつもりか?
そんなんで本当に何とかなると思ってんのか?
自分がやったから、自分の力で何とかするって?
後悔すんのはいつも、周りに迷惑かけてしまってからなんだ。
[なぜかそれは、記憶を探るような言葉。
見れば、ラフィーネが倒れこもうとしている。思わず数歩駆け出して、しかしリュミエールが支えるのを見て歩を止める。]
・・・やっぱ、ここで俺がでしゃばって行くのもなんか違うよなぁ・・・。
[とにかく今は、彼らを信じて任せるしかない。きびすを返して、街へと戻り始め・・・]
・・・・。
[鈴音まで立てているのに、気づかなかった。目の前にアイリが居る。一瞬驚くが、すぐにいつもの調子になってへらりと笑い、「よう」と挨拶した。]
― 朝・冒険者ギルド仮眠室 ―
[結局あれから起きる事はなく、朝まで眠ってしまっていた。寝惚け眼ながら起き上がろうとして両腕が鈍く痛んだのにまたベッドに沈み込む。]
んぉ…腕が、痛い…。
[筋肉痛だった。]
今まで普通のスリングしか使っていなかったからな…まずこれから何とかしないと。落ち込んでいる暇はない!その前に、皆ちゃんと戻って来たんだろうか…。
[身支度もそこそこに、腕を交互に擦りながら仮眠室を飛び出して窓口へ。そこでメノミリアとシロガネが探索に出掛けた事を聞く。更に新しい依頼のメモが貼られているのにも気が付いた。]
……行きたい、が。
少し考えよう。
メノミリア達のような力や技術があれば迷う事はないだろうがな。
[そのまま畑の様子を見に行って、リュミエール達やアイリと会えるかもしれない。**]
やほう。
[にぱーと挨拶を返す]
ヴェイドさん、何してるの?
依頼の出てたかぼちゃなら、昨日退治したよ。
あんまり上手く行かなかったけど。
でねえ、かぼちゃパイ作ったから食べようよ。
私朝ごはん食べてないからペコペコなんだ。
[持って来た包みを見せると、ヴェイドを畑の方へ引っ張り始めた]
―ダンジョン中層・魔王城(仮)―
ほうほう。まだ奥があって地底湖もあるぞな?
このだんじょんを吾がシハイ下に収めるためにも、一度は赴かねばなるまいぞよ。
[カントルの『巣』の話に始まり、あれこれ話すうちに話題はダンジョンの構造へと移っていたらしい。といっても、あれこれ投げかけられる質問にカントルが言葉少なく返答していただけだったりするのだが]
いろいろと参考になったぞよ。
また遊びに来てもいいぞなー。
[話が一段落ついたあたりで、席を辞するカントルを見送る。それと入れ替わりになるように、ざぼんさんときゃろっとが戻ってきた]
よく戻ったぞよ。
首尾はどうぞな?
[聞いてみると、手短に成功の報告が返ってきた(といっても、その報告を聞き取れるのは限られた能力を持つものだけだったけど)。きっと、中層のどこかの泉にプチマンイーターの畑が出来上がっていただろう]
…んむ?
[報告が終わって、後ろを示すきゃろっとに釣られて視線を移す。ヒトの目には映らない、自分と同質の気配がいくつか、ふよふよと漂っていた]
おヌシたちは…ああ思い出したぞよ。
あの畑におったものぞな?
ずいぶん数が減ってるみたいだけど…カボチャたちは元気ぞな? …っぞよ!?
[カボチャ、と口にしたとたん、堰を切ったように殺到する小精霊の群れ。なだめ、落ち着かせて謁見の間へと通した]
マリン、吾はちょっと未来の領地に住まうものどもと謁見しておるぞよ。
どこか出かけるなら気にせず行って来るといいぞな。
[なんだかあやつらがニンゲンニンゲン言ってたから、誰ぞ入ってきたかも知れないぞよ、と付け加えて、マリンに告げる。それから謁見の間に戻ると、よじよじと登って高い所に設えた玉座に座った]
…ふぅ。して、何があったぞな? 順を追って話すぞよ。
ふむ、ニンゲンが? また結界…だからカミサマは好かぬぞよー…。
[聞いて返ってきたのは、カボチャがニンゲンに危害を加え、それが原因で討伐されたこと。討伐の過程で、結界が張られて自分たちが追い出されてしまったこと。追い出され、散り散りになってしまって途方に暮れていたことを告げる]
そうか…あやつらは散ったのだな…
[一通り聞き終え、それらを受け入れるようにしばし瞑目する。それから、瞳を開き、口を開いた]
んむ。確かにゆゆしきジタイぞな。
せめておヌシたちに、司る地を離れても存在を保てるだけの力があればよいけど…
[精霊たちに視線を移して少し考える]
…んむ。おヌシたちさえ構わなければ、当面は現し身に宿ることを勧めるぞよ。
現し身を持って司る地に戻れば、再び根付くまでの時間を多少なりと縮めることができるはずぞな。
[どうぞよ?と伺うように聞けば、戸惑いながら頷くような気配]
少し慣れないかもしれないけど、霊格が上がればいずれは通るミチぞ。
もし現し身が壊されても、戻ってくればまた何度でも治すから心配要らぬぞな。
今回のサイナンの種を蒔いたのは吾ぞ。遠慮はいらぬぞな。
[そう告げて、魔王城の表へ精霊たちを連れ出す。
土に種を植え、フキを振って伸ばしたところへ精霊を導きいれる。 人間めいた姿に樹木を巻きつかせた小精霊の群れが、そこに生まれた]
本当にすまぬことをしたぞな。
また何か困ったことでもあれば、いつでも来るがよいぞな。
[告げて、精霊の群れを送り出す。精霊たちはとてとてとダンジョンを登って、元の畑へと戻っていった。
入り口の辺りで魔法に造詣のあるものとすれ違ったら、その気配を察知されたかもしれない**]
[アイリに引っ張られて、つい足を踏ん張る。]
うわ、ちょい待てってば。
いやー俺、昨日はみーてーるーだーけーだったし、途中でもよおしちゃってそのまんまトイレ駆け込んじゃったんだよねー。
だから出て行きづらいというか。
みんな強いよなぁ。
[ケラケラと笑いながら、頭をガシガシ掻いた。ボサボサ頭が余計にボサる。]
かぼちゃパイかー。うーん、どうしようかねぇ?
[しかし既に引きずられている。]
― カボチャ畑 ―
[ちりりと鳴る鈴の音に、アイリと……引きずられるヴェイドの姿を見つける。
立ち上がると頭を下げる]
ご心配おかけしました。
[一旦は拒みそうな様子に首を傾げたが、続く軽口におかしそうに笑う]
私も大体みーてーるーだーけーだったよー。
大丈夫大丈夫、誰も気にしないよ、おトイレなんて皆行くしね。
味は保証つきだよ、この間メノミリアちゃんが美味しいって言ってくれたし。
[ずーるずーる。そうやってかぼちゃ畑までやって来た]
ラフィーネさん、リュミエールさん、休憩中?
良かったら一緒に食べよう。
……疲れてない? 大丈夫?
あ、いや別に、心配はしてないから。
[リュミエールの言葉に、つい言い返すように答えてしまった。
しまったと思ったが顔には出さず、のほほんと目の前の畑を見ている。]
えっ、メノミー・・・リアの太鼓判かぁ、そりゃ期待できそうだなぁ。
・・・なんだよ・・・。
[自分を見上げてくるアイリに、居心地悪そうに言う。]
― カボチャ畑 ―
[昨日、畑に来ていたはずのヴェイドを戦闘中に見かけなかった気がして首を傾げる。
けれど自分の見落としだろうと疑問を忘れる]
僕は少し眠りましたので平気です、ありがとう。
[ラフィーネの顔色を気にする]
パイですか?
実はお腹すかしていたのです。
わざわざありがとうございます。
[アイリに礼を言う]
えぇー? 何でそんな嫌そうな顔するの。
そこは可愛い女の子に見つめられて照れる所でしょ!
[包みを広げながらヴェイドをからかう。
リュミエールの礼には、にぱーと笑った]
お腹空いてるなら良かった。
持って来た分で足りなかったら、ギルドの食堂にまだいっぱいあるよ。
[後からヴェルデも加わったなら、皆でかぼちゃパイを味わう]
……畑元通りにするの、少し難しそうだね。
[いや〜良く寝た
新居に変わっても熟睡できた
新居の周りの確認をしていなかったので散策をする]
滝は・・・登れなそうだな
[うろうろしていると下層の死体置場を見つけた
無謀にも挑んできた冒険者の死体が捨ててある
刀も刃零れしかけているし、この中から代わりを探すか・・・]
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