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―酒場『夜陽の欠片』外―
[酒場の脇にモーリスを連れてゆき、ブラシでその体を軽くすく。ばさり、と音がして、上空より鷹が二階の窓辺に舞い降りた。一頭と一羽に目配りをし、ねぎらいの言葉をかける]
ふぅ。お疲れ様。少し、待っていて。すぐに、食事の方は持ってきてもらうから。
[背後の茂みがガサリと鳴る。そこには白い大型犬が舌を出し、荒い息をついていた]
あら? 早かったわね。今日もやんちゃしてきたんでしょ? もうすぐ御飯よ。……三人とも、仲良くしてよ。
[そのまま、酒場の入口へ歩みを進めると、そのドアをゆっくりと押しあけた]
[いつの間にかA定食を平らげて、食後のお茶をずずず…とすすっている]
へー、ミリちゃんは魔法が使えるのね。
逆にシロガネちゃんは素質はあるけど使えないと。
きっと何かのきっかけでコツをつかんだら、簡単に魔法使えるようになると思うよ。…それが難しいんだけど。
私も準備はできてるよ、この剣があればいい。
防具は、あってもどうせ重いのをつけられないから、なくてよいし。
[腰にさした剣の鞘をぽんぽんと叩きながら、よっこらせっと立ち上がった]
−繁華街−
[各種施設の揃うこの街区は、日が落ちてからがむしろ本番。人いきれの中を、小柄なスコルはすいすいと避けて歩いていく。]
[時折、捜している少女と歳の近そうな集団を見つけては、声を掛ける。]
よーう、そこの嬢ちゃんたち!今ヒマ?
…あー、いやナンパじゃなくってだな。こんな感じのコを知らないかい?
そうかい。いや、しばらく家を空けてるらしいんでね。見かけたら家に帰るよう言ってやってくれる?
[聞き込みを続けること小一時間。しかし、尋ね人の足取りは一向に掴めない。]
…思ったより大変じゃねえかこの仕事。あ〜あ、なんで安請け合いしちまったんだか…
よーう、そこのおば…お姉さん、こんなコ知らないかい?家出しちまったらしくて、親御さんに頼まれた俺が捜してんだけど…
狩人さんと絡めそうだったけど、見失ったってロール出てからじゃすぐに声を掛けられない罠。
さて、これから情報を掴んで、ちょっと危ないところへ行ってみるけど…独りで進めてもつまらないので、誰かの助けを借りた方がいいな。
手が空いていそうなのは、狩人さんと妖精ちゃんのコンビなんだけど…
[入口付近で店内の様子を眺めている、リュミエールの肩に置こうと、そっと手を伸ばす]
驚いたんじゃないかしら? ふふ。どう? 私は、あんまり神殿のことはよく知らないけど、こうゆう場所とは違った、荘厳なところだ、ってゆうくらいは知っている。
大丈夫よ。不安にならなくても。もし、酔っ払いにからまれたって、胸さえ張っていれば、なんにも問題はないんだから。
[そこまで口にすると、カウンターにマスターに向け、大きな声を張り上げた。建物の中に、…の声が響き渡る]
ごめんなさいなー! ……表にいるコ達に、いつものようにお願いできるかしら? それと……
[一端区切り、リュミエールに視線を移した]
お酒、大丈夫だったかしら?
― 救護テント ―
[殴られた傷の手当てのため、軽く診てもらう。治療のついでに、ギルド経由で無茶が伝わっていてお説教も受けた]
痛……はい、気をつけます。
すみません、まだパーティを組むのって苦手なもので。
その、誰かに頼られるのも、頼るのも。一人で全部片付けられる程、強ければ……。
……え、あれ?
ええと。大変申し上げにくいのですが。
……治療費、ツケにして頂けませんでしょうか?
[会計の段になって、財布がないことに気付いた。どうやらコボルドたちに強奪された模様。浮かべた愛想笑いは引きつっていた]
じゃ、いきますか。報酬はシンプルに三等分でいいですよね?
店主。依頼人はどこに?…ここから森に向かう道の途中の青い屋根の大きな看板がある家ですか。わかりました。
[メノミリアの剣を一度見た後。特にこれ以上なければ二人とともに酒場から出て、依頼へと向かおうとする]
[おば…お姉さんも、捜している少女のことは知らなかった。ただ…]
ふーん…夜になると、下水道に降りていく変なローブ姿の連中がいる、ねえ。
……………
調べてみてもいいが、いかにもヤバそうな話だなあ…おっかねえなあ…
独りで行かねえで、いったんギルドに戻って、応援を募るべきか?
[思案しつつ、さらに情報収集を続けるスコル。]
― 繁華街 ―
はあ……。
どこかにお金、落ちてませんか。
[肩を落とし、視線も地面に向けたまま繁華街を歩く。
放心状態のため、人に肩がぶつかって足を止めた]
……ナンパですか。
[少し離れた場所で女性に声をかけている、冒険者同窓生の姿を一瞥]
気をつけないといけないのは、情報収集で小一時間経過させていること、かな。
これのせいで、狩人さん&妖精ちゃんとは組みにくい…
あとは救護テントのニンニャさんと、移動し始めた聖術師さんかねえ。
他の人には他の人のやりたいことがあるかもだし、ギルドメモを活用して人を募るべき、DANE!
[溜息をついて再び視線を足元にやると、小さな姿が突然視界に飛び込んだ。一瞬後退るも、講習で見かけた人物だと思い出し姿勢を正した]
あ…君は。確かクラム、だったか。
どうかしたのかとは何の事か?
[同じ視線になるようしゃがみ込み、質問には答えずそのまま返した]
はい、わかりました。
[シロガネの三等分の提案に頷くと、食べ終えた食器をぱたぱたと小走りで厨房へ運ぶ。
賄い美味しかったです、ご馳走様でした。と軽く挨拶して席に戻った。
忘れ物がないか、一応確認する。身に着けていないものは、本以外には何も無いのだが。]
よし、頑張ろっ。……ふふっ。
[本を持ち上げながら小さく呟くと、シロガネの後に続いた。
そして、ふと疑問に思ったことを尋ねてみる。]
ところでシロガネさん、画家さんって、湖に行くの今の時間で大丈夫なのでしょうか?
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