1965 怪談短歌村2020〜 つわものどもが夢の予定地 〜
全て表示
我が妹背 野辺に送りて 日は西に
伸ゆく影と 這い寄る黒髪
( 27 ) 2020/07/31(金) 21:18:58
>>19
黒板の 裏にひしめく 我が師の怨
誰一人とて 卒業させじと
( 28 ) 2020/07/31(金) 21:38:56
夏の海 打ち上げられた 貝殻に
宿借り磯這う 六本の指
( 29 ) 2020/07/31(金) 21:45:12
>> 8
星の数は 途方もなくて 見上げれば
たましひのみの 我が身小さし
( 30 ) 2020/07/31(金) 22:09:12
>>12
肝試しに 訪れしひとら 崖下へ
落ちゆく「詐欺だ」の叫び残して
( 31 ) 2020/07/31(金) 22:15:11
>>13
誰のための記念か 皆が横を向く
集合写真は 遺影にならず
( 32 ) 2020/07/31(金) 22:21:18
高級車 乗り回す男に 目をつけて
憑いていったら 実家がお寺
( 33 ) 2020/07/31(金) 23:18:59
夕暮れに ふたり手つなぎ かげおくり
影が昇れば わたしはひとり
( 34 ) 2020/07/31(金) 23:58:47
>>14
ぎんいろの 鱗持ちゐる 深海魚
いまは腐臭と 恨みを放つ
( 35 ) 2020/08/01(土) 09:09:20
>>17
幻肢痛に 泣きつつ手首 あるゆめを
幾度も見たり 墓にゐてさへ
( 36 ) 2020/08/01(土) 09:10:42
>>22
大海に 割れよと命じ
預言者は 力尽きしが 邪神顕現
( 37 ) 2020/08/01(土) 09:13:10
ロッカーの 扉開ければ まぼろしの
波に溺れて しまふ我が夏
( 38 ) 2020/08/01(土) 11:58:25
昆虫の 宇宙飛来説に 何の意味あるの?と
猫が 蝉咥へゐる
( 39 ) 2020/08/01(土) 12:19:35
>>23
古井戸を 埋めれば
むかし落とされし 女のこゑが 我を呼びたり
( 40 ) 2020/08/01(土) 12:36:32
君が今 食べたケーキに 入ってた
イチゴ味する 赤い目の群れ
( 41 ) 2020/08/01(土) 13:24:47
お客さん こんなところで 降りるんですか
どこまで行っても 壱円ですよ
( 42 ) 2020/08/01(土) 13:25:14
>>24
雨の日は 外へ出られぬ 子どもゐて
父は地蔵に 傘捧げ持つ
( 43 ) 2020/08/01(土) 14:24:50
>>25
絞首台の 下に咲きたる アルラウネ
刑吏を見つめ 吐息かぼそく
( 44 ) 2020/08/01(土) 14:27:04
>>26
話し声が すれど無人の 部屋に猫
二本の尻尾を 揺らし鳴きをり
( 45 ) 2020/08/01(土) 14:30:04
>>27
妹の 通夜も葬儀も 虫の群れに
囲まれ髪を 狙はれし姉
( 46 ) 2020/08/01(土) 19:39:44
トップページに戻る